カンジタトゥーの世界 1/4 ![]() ま?
日本語のタトゥーをいれている外国人をたまに見る。いや、実際に見たことはないが、テレビで見かけたことが何度かあるのだ。例えば格闘家のムリーロ・ニンジャさんは、自分の背中に「ムリーロ・ニンジャ」とカタカナで彫っている。また、ある外人ミュージシャンの二の腕に「音楽」と彫られているのも見たことがある。タトゥーで日本語をいれる外国人は、他にもいるのではないか。そう思ってネットで調べてみると、やはりいた。それもけっこうな数で。
どうやら海外のタトゥー界では、このような日本語のタトゥーを「kanji tattoo」と呼んでいるらしい。その名の通り、ほとんどは漢字なのだが、中にはひらがなやカタカナもある。そのあたりはごっちゃになっているようだ。上の「ま」も、おそらく当人は「kanji」だと信じているのだろう。まあひらがなやカタカナだって元は漢字なのだから、間違いとも言えない。それにしても、なぜ「ま」なのか。なぜだ。ふと気づくと、kanji tattooの画像を夢中で集めている自分がいた。 ![]() 分かってていれてるのか。
カンジタトゥーは独特の味わいを発揮しているものが多い。間違った字。間違った解釈。へなちょこな書体。日本人が見て、すんなりかっこいいと思えるタトゥーが少ないのだ。すごいぞカンジタトゥー界。ちなみに上の「変」は、どうやら「変化」「変身」的な意味合いでいれているようだ。タトゥーとは元々そういう精神でいれるものなのだろうから、気持ちはわかる。しかし外国人諸君。漢字はキミたちが思っている以上に奥深いのだよ。
■まちがい まずご覧いただきたいのは「まちがい」。文字のかたちや向きなどが間違ってしまっているものだ。「知らない言語をタトゥーにしないほうがいい」というシンプルな教訓が浮かび上がってくる。 ![]() 「死」のようだが、よく見るとパーツが足りない。 ![]()
死亡。文字そのものは間違っていないが、実はこの写真の下には「Life & Death」とキャプションがふってあった。「生」がどこにも入っていないことを知らないまま、彼は今日も生きている。
![]() 「美」がさかさま。 ![]() スカいちレット。 ![]() なぜ上下さえ判別できない言葉を彫ろうとするのか。 ![]() 東北弁か。 ![]() 大好ましい。逆に我々も使っていこう。「俺、キミのこと、大好ましい」 ![]()
タトゥー画像の中には、ごくまれに「鏡撮り」をしているものがある。鏡に写った自分を撮影しているものだ。しかし、数はそれほど多くない。さすがにみんな、文字を鏡に写したら逆になることは分かっているので、やっている人は少ない。この反転した「夢」も、はじめは鏡撮りなのか、それとも間違っているのか判断できなかった。しかし・・・
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別の「夢」。後ろのポスターの文字が普通に写っていることから、これは鏡撮りではないことが分かる。
![]() 彼の夢はなんなのか、知りたい。 ![]()
リバース系は、なぜか「夢」が圧倒的に多い。おそらく元ネタにする資料がすでに反転していて、それが広まってしまっているのだろう。今後もリバースドリームはカンジタトゥー界に増えつづけていくに違いない。大丈夫か。でも考えようによっては素敵な話だと思う。世界中に広まっていく反転「夢」。いつかこの反転「夢」マークがなにかのロゴになって有名になるかもしれない。よくあるだろう、そういうの。ないか。「最初は勘違いから生まれたマークなんだけど・・・」みたいな。そういうレジェンド話。
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